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芦野 丁子屋(ちょうじや)のうなぎ 天然のうなぎが食べられるよ!
天然のうなぎを食べさせてくれるお店が遊行柳で有名な芦野にある。芦野には奈良川の清流が流れています。
この奈良川というのは弘法大師の伝説がある「衣更の清水」の湧水を源流としているありがたい川です。
ウナギは遥か遠い南の海から那珂川を遡り、その支流をさらに遡ってきたのでしょうね。
芦野に流れる奈良川で取ったうなぎを昔は食べさせていたようですが、現在はわかりません。
聞きもしないのに、やれどこどこのこだわりのお米だぁ、何々さん家の厳選したぁ地元の野菜だのと出しゃばらない。
プロならいい食材を選び、田舎なら地産地消はあたり前。
男は黙ってサッポロビールである。
うなぎ(鰻)は日本人の食文化と深い関わりのある魚です。
縄文時代の貝塚から骨が発見されたり、奈良時代の「万葉集」にも登場するように日本人とは長いつきあいのある魚です。
「串打ち三年、割き八年、焼き一生」といわれるぐらい焼きは奥の深い技術です。
日本の食として欠かすことの出来ないニホンウナギですが、IUCN(国際自然保護連合)で、2014年絶滅危惧(EN)の指定を受けるなど深刻な問題を抱えています。
ウナギは奥の深い神秘的な魚で、乱獲や環境問題も含めて、襟を正して食する大切な魚なのですね。
芦野は古くから宿場街として、下野国の関東の最北端の宿場で、この次は陸奥国の最初の宿場・白坂宿とななります。
かつては40軒の宿屋があり、陸羽街道(奥州街道)を行き来する旅人で大変賑わったそうすです。
町並みの中にも時代を感じさせてくれる建物も残っていて、家の前には昔の屋号を書いた地元の芦野石でできた灯籠が並んでいて風情があります。
創業が364年前というから江戸慶安年間?
徳川家光第3代将軍の時代である。
マスコミの露出も多いので敬遠される人も多いが、いたって気さくである。
ちょっとTVなどに出ると天狗になってしまうお店が多い中リッパなものだ。
芦野宿で、唯一残されている元旅籠である丁字屋(ちょうじや)
江戸時代初期の創業で、今の当主は15代目とのこと。
勝海舟や山岡鉄舟も泊まったそうです。
黒羽の芭蕉の館に勝海舟が写っている生写真がありました。
右から3番目が勝海舟で洋服を着ています。
勝海舟をウィキペディアで調べると勝海舟のページに同じ写真が載っております。
丁子屋で美味いうなぎを食らう
貧乏人の私には贅沢だが、たまにはいいだろう。人間たまには余裕をぶっこきたい時があるものです。
庶民にとってウナギというのはチョットいいことがあった時に食べたり、気の置けない人をもてなす時にふるまったり、大切な気持ちを食に表す代表的な食べ物です。
庶民にとっては晴れの食べ物であり、そこにはほぼ同じものであるのに、「うな丼」よりは「うな重」の方が上などという庶民の格式があります。
パイロットより宇宙飛行士の方が上などという、それこそ雲の上の話を競う上流社会の世界とはちょっと違う。
焼きは一生という炭で焼くタレの香ばしい鰻の香を嗅ぎながら、300年の歴史がある職人の作った蒲焼きをいただく。
絶滅危惧種がスーパーに積み上げられているウナギですが、お手軽に食べていい食材では無いのかもしれません。
グローバル化していく世界の中で、改めて日本の食文化を考えるのも大事かもしれません。
値段も専門店としては特別高くないです。
さすがにスーパーのうなぎばっかり食べている私にはとっても美味しい。
しつこくないのである。
ここは私のような田舎もんのボンクラが言っているのではなく、都会の舌の肥えた人達も美味しいと太鼓判を押すお店です。
プロが指摘するように、蒲焼きになった状態から素人が、天然のウナギと養殖のウナギかを確実に判別する見分け方はありません。
那須の地元の信頼できるお店で食べるのが一番です。
丁子屋の二階からは、竹林が見える。
京都などにある御大層なものではないですが、何気に日本的でいいですね。
この竹林の後ろには隈研吾氏が設計した素晴しい那須歴史探訪館もあります。
こういうものは、秘伝のタレだ。
美味しくないタレは何百年の歴史があろうがダメですね。
なにより美味しい丁子屋のタレは簡単に真似ができないんでしょうね。
江戸時代に夏場売れない「ウナギ」を売るのに、真夏の土用の丑の日が勧められて、夏の風物詩のようになっておりますが、ウナギが一番美味しいのは寒だそうですぜ!
ウナギの旬は冬なんですよ。
夏、さほど暑くない那須は夏バテよりも、冬、脂をこってり貯めたウナギは寒い那須にはもってこいです。
栃木県の日光中禅寺湖にもウナギがいますが、唯一の遡上ルートは落差100mの華厳の滝を登るしかありません。
ウナギ研究の第一人者である、東京大学大気海洋研究所教授の塚本勝巳 博士が言っていました。
塚本勝巳 博士著 「うなぎ」
一億年の謎を追う
児童向けに書かれたそうですが、大人が読んでもとても面白くうなぎの神秘性が良く分かる本です。
しかし何故そんな険しい道をうなぎは選ぶのでしょうか?ヘミングウェイのキリマンジャロの雪のような話で誰も説明できません。
そんな神秘的なパワーをウナギは秘めていますから、精がつくのは当たり前なのかもしれません。