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那須の牧場
那須の牧場を歩いてみたいと思います。那須に限らず日本の農業は抜本的な改革を迫られています。
ご存知の通り日本の食料自給率は近年は概ね30パーセント代で推移しており先進国では群を抜いて低い数字です。
2016年の「G7農相会合」でみてもカナダの258パーセントを筆頭にフランス129パーセント、アメリカ127パーセント、ドイツ92パーセント、イギリス72パーセント、イタリア61パーセント、そして日本は39パーセントです。
関東農政局にグラフがありますので下記を参考にしてみてください。
食料自給率てなんですか?
数字がどうであれ都市型農業を除けば日本の農業の現実は限界集落状態です。
(大都市の中で200〜300坪の有機無農薬農法などをやればヤンヤヤンヤの喝采を浴び作りてのモチベーションもあがるでしょう。
一部の芸能人のようなもので日本の大半は誰にも注目されることがない場所で農業というのは行われております。)
海外製品との価格差の原因はモチロン多岐に渡り一概にはいえませんんが、酪農でいえば農地面積が他の国と比較になららいぐらい狭いという事に起因している事がまず第一にあげられと思います。
那須でいえば戦後敗戦によって満州や朝鮮などで開拓していた人々が帰国するをえず、日本の各地に開拓地を求めましたが、国土の70パーセントが山林という国の残りの平野は細分化された農地で開拓地などやたらにあるものではありません。
そこで那須野ヶ原という誰も見向きもしなかった荒れた土地を開墾するため入植が戦後3〜4年後から本格的に始まりました。
荒れ地ですから米なども満足に育たず、逆に冷涼な気候を利用して酪農を導入することになりました。
当時は完全栄養食に近い牛乳は高級品であり卵と同じく大変貴重なものでしたが、物価の優等生と褒められるだけで経営は年々苦しくなっていっているのが大半の酪農家だと思います。
だいたい牛乳は一リットルで100円です、そこに餌代が70円、残りの30円でトラクターなどの農業機器を購入したり燃料代を捻出します。
ですから弱小農家は手作業がほとんどです。
手作業は石油を使いませんから、それでかつかつの利益を生み出すのがやっとです。
農地集合や資本がありスケールメリットを大規模に活かせる大企業が農業参入してくるのはそういう現実からです。
もちろん政府は大企業の農業参入を奨励するような政策をとっていくことになり、弱小農家は淘汰されて行くのが現在の潮流です。
そんな現状でも生き抜いて酪農に日を当てるのは、観光とコラボするしか那須では道は無いと思っております。
町営であった那須模範牧場が民間委託され今年度から株式会社「那須の農」になりました。
また同牧場内にあったキャビン施設やバンガローはNPO法人那須野外研修センター「那須高原 自然学校」となり町民だけでなく誰でも低料金で宿泊できるようになりました。
そんな新しい試みにも注目していきたいと思っております。
那須町共同利用模範牧場
那須町 大谷 那須で一番厳しい開拓地ですが、また那須では一番美しい場所でもあります。ほとんどが山形県から入植した方々で約100世帯が戦後入植して中ノ大倉山の裾野を開拓しました。 中ノ大倉尾根の、ゴヨウツツジ群生地に登るゴンドラから見た模範牧場です。
手前の緑の草地が模範牧場の一部です。
広さ330ヘクタール、東京ディズニーランドの6.7倍の広さです。
以前は那須町の町営牧場であり、子牛の肥育の為夏の間放牧されます。