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堂の下の岩観音よ花を惜しむなかれ
桜の季節はライトアップされ、まるで万葉の世界のような幽玄な感じがします。ライトアップは午後6〜9時。4月末までです。
水面に映る桜は、実際に観るとすごく美しく、うっとりするような、まるで一幅の絵を観るような風情たっぷりの場所ですよ。
一幅(いっぷく)の絵画は千の言葉を語ると申します。
是非ここに来て御自分の目でみてください。
樹齢約350年以上といわれるエドヒガンやソメイヨシノ、ヤマザクラなどの巨木がライトアップされます。
エドヒガンザクラは現在のソメイヨシノの親で、非常に長寿で巨木になることで有名です。
国の天然記念物に指定されている桜はほとんどエドヒガンサクラと言っても過言ではありません。
ちなみに那須ですと、お隣福島県の樹齢1000年を超える日本五大桜または三大巨桜と全国に名を馳せる「三春滝桜」はエドヒガンサクラがシダレ桜に変わった変種になります。
桜もバラ科ですが、わかりやすいのは花のバラの中には、スポーツといって、本来木立性のもののある枝が突然変異を起こして(bud sport)つる性バラになったりします。
事前によくカメラの設定をしておかないと、蛍光灯の下で撮ったような感じになってしまいます。
もちろん私のへなちょこなせいもありますが、ライトアップを撮るのでしたら三脚はモチロン脚立もあれば便利です。
なぜかというとこの時期の混雑は結構大変です。
夜この池に映り込む桜は一見の価値ありです。
キース・ジャレット、とっても合いますよ。
2日前に失敗したのに、また性懲りもなく来てみましたが、たった2日で桜は随分減ってしまいました。
昔、我が県出身でありました作家「立松和平」さんの談話で、「花を惜しむなかれ」という大変素晴しい話を聞いたのを思い出しました。
花は人に見られるために咲いている訳ではないのですよね〜。
それは人間も同じで、人に見られなくても精進を惜しむなと言うようなお話でした。
小説家ですから井原西鶴が言った「物には時節あり 花の開閉 人の生死 なげくべからず」を例にとって話をされたような記憶があります。
それにしても立松さんは本名は横松さんというそうで、人間いつまでも横になっていてはイカンと立松というペンネームにしたそうです。
こちらが堂の下の岩観音の入り口になります。
洗心の石段を登る前にお清めの水で手を洗いましょう。
洗心の石段のただし書きに、人間には百八の煩悩があるといわれています。
この石段も百八段あります。
一段一段、自己を見つめながらお参りください。
参拝により一つでも多くの煩悩が洗い流せるように。
ヨシ、がんばるぞ!
お〜とっといきなり煩悩との対決です。
私は煩悩の数が少し多い気がしました。
でもたまたま前を歩いていた人です、老若男女が沢山訪れていました。
煩悩を洗い清めながら108段の石段を登って岩観音へ辿り着きます。
途中には幼くして命を落とした子供達の小さな石仏がありました。
合掌。
下を観るとすっかり春めいています。 約400年前に村の鎮守として建てられた、巨岩に囲まれた崖の中腹ある観音堂という古刹です。
エドヒガンザクラもその頃植えられたようです。
現在は観音像は判別できませんでした、隣にいた御婦人が心で観るのですよと教えていただきました。
日清戦争の時の旅順攻撃の顕彰文があり、芦野出身の船山市之助の活躍をたたえたものである。
司馬 遼太郎さんの小説ではないが、旅順攻撃も遠く坂の上の雲の向こうに行ってしまいました。
今は静かに故郷をみつめています。
旅順攻撃を指揮した乃木希典大将の「乃木希典那須野旧宅」も那須塩原市にありますので、機会がありましたら是非県指定史跡「乃木希典那須野旧宅」も訪ねてみてください。
「乃木希典那須野旧宅」 | 県指定史跡「乃木希典那須野旧宅」 |
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観音堂は町特産の芦野石が露出する岩肌の中腹にあります。堂周辺の巨岩を覆うように、樹齢350年ともいわれる大木のエドヒガンや、ソメイヨシノなど美しく咲き誇ります。
種類によって開花時期が異なるため結構長く楽しめます。
理由は立地によるものです。
2016年は堂の下の岩観音の桜吹雪を撮影しようと、黒磯からナナハンで、風が吹くとバイクが持っていかれるぐらいの強風の日に堂の下の岩観音に行きましたが、堂の下の岩観音はまったく風の影響を受けず、あの強風が嘘のような暖かな残照に沈んでおりました。
花期が普通の場所より長いのはこんなことが影響しているんでしょうね、
また今年は雨の関係か?水が染み込んでいるのか、観音様の輪郭が例年よりはっきりしていました。 昼は古刹と菜の花で里の春を満喫でき、夜はライトアップされた桜が遠い万葉の世界を感じさせてくれるちょっとした穴場です。
新緑や紅葉時期、厳冬期の雪景色などもいいかもしれません。
堂の下の集落の何十年も桜を眺めてきたおばあちゃんが、「てっぺんのエドヒガンサクラが一番きれいだね」とおっしゃっておりました。