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- 新緑の雲巌寺(うんがんじ) 2013年
冬 | 冬の雲巌寺 |
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風薫る春の古刹
四季いつ訪れても心が安らぐ古刹です。風薫る5月2日、世間では大型連休で大騒ぎしておりますが、ここは訪れる人も無く、まったく隔絶された空間です。
もともと現世利益を求めるようなお寺ではないのである。
松尾芭蕉が参詣したのは元禄2年(1689年)4月5日(新暦 5月23日)です。
新緑のまぶしい季節です。
雲巌寺のスギ − 大田原市指定天然記念物の樹齢550年の巨樹。
この巨樹は何か魂が宿っているような不思議な気を感じます。
そして美しい山門の橋が緑に映えてとても美しいです。
いつ見ても素晴しい山門。
周囲には、高欄付きの切目縁きりめえんが廻っています。
エジプトに行ったことのあるりっちゃんは、ギザの3つのピラミッドのように、山門、釈迦堂、獅子王殿が一直線上に並んだ建物に宇宙的なものを感じると言っていました。
雲巌寺は、弘安6年(1283年)、北条時宗を大檀那として仏国国師、高峰顕日が開山した禅刹です。
静寂に包まれた雲巌寺の寺院内。
爽やかな風が吹き通り、新緑の梢でさわさわと時々音がするだけです。
こういう世界から一番遠くにいたと思っていた自分が、何故か心惹かれるようになってきました。
お寺にいくと抹香の匂いがして墓地があったりが当たり前ですが、ここはそんな匂いはしません。
目で見える所に墓地などもありません。
精神世界のお寺なのです。
ここに来てみればそれが良くわかります。
5月に旅した松尾芭蕉
元禄という時代は日本が最初にバブルを経験した時代であると言われております。
忠臣蔵となった大石内蔵助初め47人が、主君である浅野内匠頭の仇を討つ別べき吉良邸に討ち入ったり、総じて華美で絢爛な時代だったようです。
松尾芭蕉が奥州に紀行したのも元禄です。
山門をくぐって左側にアジサイに囲まれた中に、松尾芭蕉の句碑があります。
木啄も庵はやぶらず夏木立 (きつつきも いおはやぶらず なつこだち)。
現在はコケむしてよく見ないと読めませんが、仏頂和尚への尊敬の念がよく分かります。
芭蕉が江深川の草庵に移ったのが延宝8年(1680年)の冬、仏頂禅師は、鹿島神社との係争で江戸に出て臨川庵に仮住まいをしていたいましたが、芭蕉にとっては正に運命的な出会いと感じたようです。
以来尊敬の念は変わらなかったようですね。
鐘楼の向こうに美しい新緑が映える。