BeNasu 那須高原の歩き方
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2014年 夏の嵐が去った後の青空

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沼ッ原湿原

台風8号が去って7月12日つかの間の青空が戻りました。

ニッコウキスゲは今年は殆ど咲いてないと聞いておりましたが、久しぶりの天気ですので早朝やってまいりました。

朝の6時ちょっと過ぎですが土曜日とあり、もう駐車場には登山客の車が結構止まっています、第一陣は出発した後のようです。

今年は全国的に熊の餌であるドングリが不足しているので熊に注意したほうがいいということですが、これだけ人が入っていれ大丈夫ですね。
夏の朝、爽やかな風が吹いています。

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沼ッ原湿原

アテンションプリーズ

フェンスの向こう側、電源開発の敷地内沼原の調整池の堤には幾分咲いていますが、杞憂していた通り湿原内にはほとんど咲いていません。
チラホラという感じです。

西ボッチと白笹山、南月山に囲まれた小さな湿原ですので、ニホン鹿などの食害の影響が大きいのですかね。
環境省も言っているように沼ッ原湿原のニッコウキスゲは年によって開花数に相当ムラがあります。

ニッコウキスゲ(ゼンテイカ 禅庭花)は昨年日光の戦場ヶ原湿原などでは外来種の懸念がでて、駆逐するかどうかという議論があったようです。
ニッコウキスゲは夕刻に咲き始め、翌日の夕刻に終わってしまう一日花です。

ここは日光国立公園 第2種特別地域にあたります。

江戸時代は会津中街道として会津藩の参勤交代などにも使用され、戊辰、会津戦争では幕軍と新政府軍との戦闘が宿や大峠にかけておこなわれました。

明治から昭和20年頃まで馬の放牧地として利用されたり、戦後は植林地として古くから人間の手が入っています、植林の為の水抜きの掘割りやカラマツなどはその名残です。

現在残されている湿原を自然のままに人間が手を入れないでおくか、観光資源としてある程度人為的に自然保護をするか沼ッ原湿原も選択する時期が来ているような気が個人的にはしています。

沼ッ原湿原

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秘境としての裏那須 (奥那須)

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アテンションプリーズ

那須湯本側を表那須、那須連山を含む福島県側を奥那須(裏那須)と呼び、沼原園地は奥那須の南部に位置しています。

白笹山は那須ICあたりから眺めると黒尾谷岳の後ろで、だいだい那須町方面からはあまり良く見ることができません。

沼ッ原湿原には県道266号線からつづら折りの那須塩原市道を約7kmほど、黒尾谷岳を巻いて那須連山の裏側に登って行く感じです。

沼ッ原湿原

登山人口が増えたこともありますが、秘境的な要素が好まれ訪れる人も増えました。

このあたりは西村寿行氏の「峠に棲む鬼」の小説の舞台となった所です。
登場する鬼無村は架空の村ですが、栃木県と福島県の境界の秘境にある平家の落人部落という設定がぴったりの雰囲気の場所です。

七千山水源の森などまだまだ豊かな自然が残っています。

また裏那須の会津下郷側から三本槍岳へ向かう近くの鏡沼は、「日本昔ばなし」でも取り上げられました、モリアオガエルと白大蛇の伝説が残っています。

沼ッ原湿原には沢山のクロサンショウウオが棲息しています。
サンショウウオも生きた化石と言われています。

生きた化石と言うとシーラカンスが有名ですが、DNA解析の結果ほとんど3億年間進化しなかったのが分かったそうです。

進化しなかった理由が「生物が変化する必要がない場所が少なからず存在する」そんな場所に棲息していたんですね。

沼ッ原湿原 沼ッ原湿原

深山ダムなどの開発によって森に棲む人はいなくなってしまいましたが、県道369号線は震災の影響で道路が壊れているため、現在深山ダムの先で廃道になっていますが、かつては会津田島に抜ける事ができました。
(以前は宿跡まで車で行く事ができました。)

沼ッ原湿原 沼ッ原湿原

裏那須の静かな空間です。
カッコーの鳴き声と吹き渡る風はとても気持ちがいいです。

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沼ッ原湿原のハイキングコース

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沼ッ原湿原

広さは東西約250m、南北約500m 周囲約1.6km 面積は約7ha
湿原内は木道が設置されていて、周遊コースになっています。

木道は手すりなどありませんから(ロープが張られていますが、傷んでいます)写真撮影などに夢中になって落ちないように注意してください。

沼ッ原湿原

野鳥が沢山鳴いています。
この辺りは那須塩原市と那須町、福島県の境界が複雑です。

三倉山、大倉山、流石山、三本槍岳あたりは福島県との境界で那須塩原市(旧 黒磯市)になります、三斗小屋温泉も那須塩原市の飛び地になります。

沼ッ原湿原

沼ッ原湿原は鳥獣保護区特別保護地区になっておりホオジロ、シジュウカラ、オオルリ、コガラ、ウグイス、ヒガラ、オオジシキなどが沼ッ原湿原の野鳥として環境省で確認されています。

その他にも沢山の種類が棲息していると思われ、クマタカなどもいるようです。

2014年の沼ッ原湿原展望デッキから福島県境の三倉山、大倉山、流石山の眺めです。

福島県境に位置する面積92haの流石山・大峠風衝地植物群落保護林はミヤマナラ、ガンコウラン、ハクサンシャクナゲ等が生育しています。

流石山はニッコウキスゲの群落地としても有名です。
広葉樹と針葉樹のバランスがとても良いので日本の景色じゃないみたいです。

ニッコウキスゲだけでなく夏の涼を求めて訪れるのも良いと思います。

沼ッ原湿原

正面の七千山水源の森は、日本の代表的な水源のひとつとして、平成7年に林野庁長官から認定されました。

詳しくは林野庁公式サイト七千山水源の森を参考にしてみてください。

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爽やかな空と風

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昨年は水枯れでしたが今年は瑞々しい湿原が戻ってきました。
栃木県那須塩原市板室字白湯山国有林になっています。

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水の中にはオタマジャクシが沢山いますが、クロサンショウウオはすでに森に入ってしまったのでしょうか、見当たりません。
産卵期が過ぎると落ち葉や倒木の下に隠れています。

3〜5月にかけて、こぶし大の白い卵のうを産卵します。
沼ッ原湿原では毎年2000個ほどの卵のうが観察されますが、ひどい水枯れなどでは幼生の生育が困難な場合もあります。

体長が3〜4cmになると陸上生活を始めます。
基本的には丈夫なサンショウウオですから、現在ではまだ沢山棲息しています。

沼ッ原湿原

植物はニッコウキスゲを始め、コバイケソウ、アカバナシモツケソウ、モウセンゴケ、ノバナショウブなど見る事ができました。

沼ッ原湿原

湿原の木道から見える南月山と茶臼岳です。
那須連山の裏側にいるのが良く分かると思います。

沼ッ原湿原

駐車場から湿原までは歩かなくてはなりません。

沼ッ原湿原

ある程度整備されていますが、場所によっては泥濘んでいたりしますので、ヒールなどでは危険です。

沼ッ原湿原

沼ッ原湿原

深山の清々しい空気はとっても美味しいです。

沼ッ原湿原

こんな所で放牧されていた馬は幸せだったかもしれませんね。
スイスなんかの放牧風景を彷彿とさせる光景だったでしょう。

沼ッ原湿原

木道に咲くニッコウキスゲです。

沼ッ原湿原

近くには売店や自動販売機など一切ありませんから、コーヒーなど持参してゆっくりと楽しんでください。

沼ッ原湿原

ゴミは必ず持ち帰りましょう。

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