BeNasu那須高原の歩き方
BeNasu 那須高原の歩き方

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那須町芦野の人

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美しい竹林と数百年の樹齢のあるけやきの大木。
階段の所には古い碑があります。
夏の午後、行く夏を惜しむかのような蝉しぐれです。

平井菓子店 全景

平井菓子店さんの後ろには素晴しい竹林があります。
京都などにある竹林より美しいというお客さんも沢山いるぐらい、広くて平井さんや我妻さんなど近所の人達で一生懸命手入れしている竹林です。

お金や観光の為ではありません、ただ美しいものを残したいという理由だけです。
那須の観光スポットなどにはまずでてきません、広大な竹林は心が洗われる気がします。
ここは別のページで企画いたします。それぐらい素晴しい竹林です。

平井菓子店の隣にある美しい竹林

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映画の一コマにでてくるようなお菓子屋さん

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江戸時代、現在の栃木県と東北地方を結ぶ幹線道路は五街道の一つ奥州街道でした。
奥州街道は宇都宮ー氏家ー喜連川ー大田原ー鍋掛ー越堀ー芦野を経て白河に通じる街道でした。

その旧奥州街道沿い(国道294号)、芦野の町の入り口の少し手前にある「美しい竹林」と数百年はあると思われるケヤキの大木がある「お菓子屋さん」です。
何故か気になっていたお店で一度来てみようと思っていました。

すだれが夏の風に揺れて、何気にいいですね。

平井菓子店

中に入るといきなり昔懐かしのかき氷機と薪ストーブです。現役です。
シャカシャカシャカと昔のかき氷機はいい音がするんですよね。

初雪とかスワンなどありましたが、初雪は富士山の付いているのが渋くていいですね。
ここ芦野にはコンビニはありません。

平井菓子店 平井菓子店

初めてのお店でまだ何も買ってないのに、冷たい麦茶を振る舞ってくれました。

おかみさんの「りつこ」さんがやさしいし、またこれが美人なんですよ。
風通しの良いお店でWりつこで話が盛り上げっていました。

蓑沢の彼岸花は今年はいつ頃咲きますかねなどと話していたら、家に(由緒ありそうな豪邸です。)咲いている彼岸花だったら結構キレイに咲くからその時見に来なさいとの事。
紅葉もキレイだから、縁側に座って眺めたらと、これが本当の那須の人なんですよ。みんな親切ですよ。

平井菓子店

店の中にはいろんな昔使った鍬や古い物が何気に飾られています。
美しい田園風景に囲まれた、映画の一コマに出てくるようなお店です。

この「ゆったり流れる時間」が何ともいいですね。

そこら辺の高い外国製の扇風機やエアコンなどより、よっぽど優しい風がくる時代物の扇風機。
二人共りつこという名前が同じということで盛り上がっています。

平井菓子店 平井菓子店

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今にも「いつでも夢を」や「高校三年生」が流れてきそうなラジオです。

簾(すだれ)越しに眺める風景は、遠い元禄の時代に松尾芭蕉も「おくのほそ道」の道中眺めたかもしれません?。

時々涼しい風が入ってきます。
おかみさんが持っている余裕というか、作り話のスローライフじゃない本物の自然体でゆっくりと生きている姿は素敵ですね。

正面に見える小高い山の下には少しだけ黄金色に色づき始めた田んぼが広がっています。

平井菓子店

りっちゃんアイスクリーム一本くれや〜、とお客さん到来である。
あら、マキちゃんじゃねえの何やってんの?

オヨヨ我妻さんこそ何やってんの?

昔の友達に再開しました、いつもスーツ姿しか見ていなかったので一瞬わかりませんでしたが野良着で若返ったようです。

聴けば家は平井さん家の隣だそうで、要介護5の父親の面倒を見るために仕事を辞め、男一人で介護をしながら米を作っているとのこと。

都会と違い大きな病院など1時間ぐらい車で行かないとありません、というか小さな病院すらないんですよ。

その中で地位も捨てて父親の介護をするのがどれだけ大変か、皆んなが協力してくれなかったらやる気だけあってもできるものではないだろうな。
私の家でもそうですが、隣の家は親戚以上の付き合いです。男一人スーツを脱いで野良着で介護をする。覚悟がなければできる事ではない。

エライ男だ。昔話しに花が咲き田舎はやっぱりいいもんだなあ〜。
都会だったら行政の他には誰も助けてくれないだろうな、自慢する訳じゃないが、これが本当の那須の人間達なんですよ。

平井菓子店

ここにはジェラートも無ければソフトクリームもありません。
アイスクリームも何百円もするような外国のものもありません。
町にあるコンビニのような山のような品物もありません。

選択肢は田舎のお店はどこでも少ないのです、私もそうでしたからね。

しかし、ここにあるのはお金では絶対に買えない風土が生んだ人情がある。
心の中にたっぷり詰まった真心です。
お店に買いに来て、お金では買えない人情と真心に触れ合えました。

今度うなぎ捕りやっぺな〜!友人は介護の為帰っていきました。

平井菓子店

帰りにはレジ袋一杯のブルーベリーを持ってけと、イヤそんなに沢山は頂けませんよといっていたら御主人が帰って来て、手に一回り大きな袋にこれまたタップリのブルーベリー。

知り合いの所に持っていたったら留守でいないので、これも持ってけと両手にタップリ入ったブルーベリーを頂きました。

人情を頂いたような感じです。

よく検索をすると公式サイトとかというのが出てきますが、もちろんオフィシャルなものは表示する義務もあるだろうし、大事な事は認識しております。

私のようなへなちょこサイトとは違うんですよという事なのでしょうが、どうでもいい公式サイトなるものも沢山あります。
ご当地検定のような、クイズかどうかの線引の難しいテストばかりが「THE那須」では無いと思います。
(他所の人が那須に興味を持って受けて頂けるのは大変嬉しい限りですが、地元の人間が検定受けてどうすんの?分かんなかったら年寄りに聞け!みたいな事は個人的にはあります。)

そのような意味で言えば「この人達は公式の那須の人間なんですよ。」

帰り道は爽やかな風が吹いてきて赤とんぼが飛んでいまして、エアコンの無い私の車もいい気持ちでした。

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人情の交差点 平井菓子店

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こちらはけやきの大木です。

古い碑などの写真を撮っていて何気に美しい景色に引き寄せられました。
この階段を登って行くと御自宅です。

平井菓子店

まずは麦茶をごちそうしてくれました。
テーブルには野花が飾ってあります。

花というのは幸せのバロメーターでもある気が私はしています。
人生に余裕が無いと花など目に入りませんものね。

平井菓子店

テーブルの上にはいつもかわいい花が飾ってあります。

そしてオミナエシ(女郎花)と昔使った鍬やスキが飾ってありました。

昔の人の作った道具は素晴しいですよ、まあ、ホームセンターには悪いですが月とスッポンですね。

平井菓子店

秋の七草の一つであるオミナエシです。別名女郎花とも呼ばれます。

秋の七草はハギ、キキョウ、クズ、ナデシコ、オバナ(ススキのこと)、フジバカマ
そしてオミナエシです。季節になるとあちらこちらに咲き始めます。

秋の七草に直接何かをする行事は特にありません。秋の野の花が咲き乱れる野原を「花野」(はなの)といい、花野を散策して短歌や俳句を詠むことが古来より行われていました。

秋の七草はそれを摘んだり食べたりするものではなく観賞するためのものであり、したがって秋の七草がゆ」というものはありません。

現代では雑草扱いされている花も中にはあります。

日本人が持つ心の余裕を問われる花達なのかもしれません。

平井菓子店

赤い電話が懐かしいですね。
インターネットもスマホもまったく関係のない世界です。
私とてステーブ・ジョブズやビル・ゲイツと年齢的に大差ない世代ですから、世の移り変わりは身を持って体験しました。
何故ジョブスやゲイツがあんな風になれたのかは、アナログの世界を充分体験した事が大きな要因だと私は思います。
テレビがカラーになったりカセットテープが一般的になったのだって1970年頃からです。

それまでは普通の人は自分の声を客観的に聴くことすらできなかったんですよ。
イノベーションがどれだけ影響を及ぼすか、良く知っていたんですね、そんな時代背景も大きな要因です。

これは若い人にはわからないと思いますが、彼らが天才で有ることは間違いありませんが、ただ頭が良い悪いだけの問題ではありません。
ビートルズで大卒はジョン・レノンだけだし、ポール・マッカートニーは譜面が読めなかったそうですから世の中の規格に当てはまらない人間というのは少数ですがいるものです。
昨今のトーク番組や討論番組などで人をボコボコにしている方達は、ディーベートという技術を使っているので彼ら達とは種類が違います。
プロのボクサーに喧嘩を売るようなもので勝ち目はありません。
彼らは頭はいいですが天才とかとは別です、そこが若い人にはわからない。
ガッツ石松(栃木県出身)に頭では勝ててもボクシングでは勝てません。
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でもガッツ石松がすごいのは倉本聰さんが北の国からの回想録みたいので語っていましたが、ガッツは撮影時「よーいスタート」と言ったら、いきなり駆け出して行ってしまってア然としたそうです。
東大を出た人には読み切れないOK牧場 ガッツ石松。

好きな数字はラッキー7の3だそうです。

平井菓子店

世の中の人間関係がギクシャクしてきているのは、時代の流れというもので、決して「昔は良かった」的な話はするつもりはありません。

ただ一つ私が思うのは、金銭的なものではなく「心の余裕」という目にみえないものが、世の中から失われつつあることがひとつの要因だと思います。
精神の方向性を見失っているとも言えると思います。
情報が氾濫する中で、どうしても他人との比較や同調、また匿名ゆえ「なんでもあり」の誹謗や中傷。
大事な情報が瞬時に分かる反面、大した事で無い情報も氾濫していますから、情報リテラシーが追いついていきません。
所詮あまり実態を伴わないネットの中での人間関係に翻弄されて、突き詰めると情報というものの奴隷のようになってしまった世の中です。

日本史上類を見ない出世を成し遂げた天下人「豊臣秀吉」は「何事も つくづくと 物思いすな」と下手な考え休むに似たりという、ボンクラな私など身につまされる言葉を残しました。

ここ芦野は西行や松尾芭蕉も思いを寄せて立ち寄った有名な「遊行柳」という歌枕に詠まれた地です。
「松尾芭蕉」の座右の銘とした言葉が「おろかななる者は思うこと多し」と死んだばあちゃんが残した、達筆な習字の手本の本の中に書いてありました。

平井菓子店

良く地元の食材をふんだんに使った料理などの宿泊施設やレストランなどのHPを拝見いたしますが、別に特別変わった那須のものはあまり見かけません。
モチロン地産地消ということは大変結構だと思います。
しかし、本当に地元でしか食べられないものは皆んな秘密ですからね。

平井菓子店さんの素晴しい竹林

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また別のある日の平井菓子店

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台風の影響で雨です。稲刈りができないのでご主人の平井さんも加わって楽しく談笑しました。
平井さんは男らしい威厳のある人です。
知識人でもあり、定年後は趣味の骨董品集めが楽しくてしょうがないようです。
芦野の歴史や米の今年の出来具合など勉強になりましたね、那須駒についても博学であり近い内に見つかるかも?しれません。

平井菓子店の御主人


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