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ナスヒオウギアヤメのロイヤルパープル 「秘すれば花」
花期5月下旬〜6月上旬ナスヒオウギアヤメは派手な花ではありません、逆にものすごく地味な花であるからこそ魅力がある花なのです。
「秘すれば花」
世阿弥の「風姿花伝」の中の有名な言葉です。
この美しいロイヤルパープルのアヤメは那須町の一ツ樅で見ることができます。
昭和37年に宮内庁の職員が発見して昭和天皇が研究して名づけられたものです。
写真ではわかりづらいですが、特に葉の部分が普通のアヤメよりずっと大型です。
ナスヒオウギアヤメの母のヒオウギアヤメは文仁親王妃紀子(ふみひとしんのうひ きこ)紀子様のお印でもあります。
那須高原のパープルレイン
残念ながら、種子を結ばないので株分けで増やすしかありません。湿地を好むのかナスヒオウギアヤメが咲いているのは水のある所です。
(湿地や湿原のような場所じゃないと大型化しないので、咲いていても気づかないのかもしれません。)
まさに那須高原のパープルレインです。
実を結ばない植物、小説の名前のような感じですが、レッドデータブックに登録されて、日本で那須町と那須塩原市の一部にだけに咲く絶滅危機種です。
身近な所ではヒガンバナも身を結びません、中国から渡来した一株から増えたそうで、日本にあるヒガンバナはDNA的には全部兄弟だそうです。
ナスヒオウギアヤメは、環境省レッドデータブック絶滅危惧種Ⅱ類、栃木県レッドデータブック絶滅危惧Ⅰ類(Aランク)に指定されています。
一ツ樅の群生地です。
道路の両側にナスヒオウギアヤメが咲くのが、6月上旬頃を目安に最盛期を迎えます。
将来株が増えれば、八幡のツツジ群落、中ノ大倉山のゴヨウツツジと並んで季節の観光の目玉になるかもしれません。
昭和天皇が愛した本物の那須をみてみましょう。
たいした距離ではありませんから「道の駅友愛の森」から、お散歩がてら歩きかレンタルの自転車でも借りて花を楽しむのが那須高原の歩き方です。
年度別の様子(当サイトにおける参考になる他のページ)
2014年 | 2014年のナスヒオウギアヤメ |
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シークレット・ガーデン (Jardin secret)
こちらは秘密の場所の方ですが、清冽な水で育てております。
流れこむ小川には蛍の餌でありカワニナが生息し、クレソンが咲いております。(写真は地元、県北のカワニナです。 なかがわ水遊園にて)
それだけ、水田が少ないので農薬の影響もまだ少ないのだと思います。
夏にはまだまだ自然の蛍を見ることができる美しい田園地帯です。
那須塩原市などに咲いている場所は、あまり水が綺麗ではないのですが、ます知っている人しか来ませんので、荒らされる事がないのが唯一の救いですね、
坂上田村麻呂の伝説にまつわる場所にひっそりと咲いております。
シークレット・ガーデンは地元の人というよりは、都会から移住してきた方々がボランティアで助けてくれるそうです。
ありがたい事ですね。 最近は青に接する機会が多かったのですが、パープルというのもいいですね。
広重美術館で見た広重ブルー(Hiroshige Blue)といわれる青には感動させられました。
ヒオウギアヤメは写真では一見普通のアヤメように見えますが、実際に見てみると、葉が大型で素晴らしい気品のあるロイヤル・パープル色をしています。
そして湿地帯を好みます。
一ツ樅の群生地以外でナスヒオウギアヤメを見つけたら、静かな気持ちでみてみましょうね。
時間の関係もありますが、くもりの午後ぐらいが一番いい色がでる感じです。
印象派の絵をみているような時もありました。
こちらは那須塩原市の樋 沢のオオウナギの伝説の池です。
地域の方々のボランティア活動もあり、株数も増えつつあるということです。
もともとはこちらのナスヒオウギアヤメも、独自にこの辺で咲いていたらしいです。 このヒオウギアヤメは晴れた日より、曇りの日のほうが断然きれいに見えます。
この日はちょっと日射しが強かったですね。
日射しが強いと紫が違った色に見えてしまいます。
日の光の当たりぐらいでロイヤルブルーから、ロイヤル・パープルまで美しく色が変化して見えます。 緑と相まって美しいです。 ゴッホは歌川広重を大変尊敬していたそうですが、プロヴァンスに移り住んだのもプロヴァンスの風景が日本の浮世絵の風景と似ていると思ったのが理由だそうです。
歌川広重を彷彿とさせるものがあります。
左がフィンセント・ファン・ゴッホで右が歌川広重です。
ヒオウギアヤメも最盛期を迎えたようです。花の命は短いものです、花を惜しむなかれ。
人生と一緒ですね。 来年もこの美しい水とヒオウギアヤメがみれますように。
以下日本花菖蒲協会(THE JAPAN IRIS SOCIETY)における「宮崎大学農学部 藪谷 勤」氏の論文を引用させていただきます。
アヤメ×ヒオウギアヤメおよび四倍体ヒオウギアヤメ×カキツバタの両雑種とも園芸的には注目されないが、前者はシガアヤメ、後者はキリガミネヒオウギアヤメとナスヒオウギアヤメの起源を解明する上で重要な雑種である。
そこで現在、当研究室ではキリガミネヒオウギアヤメ、ナスヒオウギアヤメおよび四倍体ヒオウギアヤメ×カキツバタの雑種を用いて、Genomic in situ hybridization (GISH)法により両種の起源を解明する研究を進めている。 現在も研究はされているようです。