- BeNasu那須高原の歩き方 トップページ >
- 名所 >
- 長源寺の古代蓮と国指定重要文化財である三森家住宅
伊王野長源寺古代蓮 ロータスの伝説
古代蓮は、昭和26年千葉県検見川にある「東京大学検見川厚生農場」の落合遺跡で発掘された、今から2000年以上前の古代のハスの実から発芽・開花したハスのことです。
それが、どういう道を辿ってこの伊王野の長源寺の池に咲いているのかは分かりませんが、仏教の曼荼羅に描いてあるような、極楽浄土に咲く花のような不思議な気がする色でした。
蓮の花は早朝に咲き昼には閉じてしまいます。
原産がインドですので、伊王野では7月から8月にかけて咲いています。
インド原産の蓮がなんで弥生時代以前に日本にあったんでしょうかね。
私は仏教伝来とともに日本にもたらされた花だと思っていましたが、はるか以前から日本にも蓮はあったのですね。
古代蓮発見のニュースは国内外に報道され、ライフ誌に「世界最古の花・生命の復活」として掲載され、博士の姓を採って「大賀ハス」と命名されたそうです。
放射性炭素年代測定が行われ、ハスの実は今から2000年前の弥生時代以前のものであると推定されました。
まさにロータスの伝説というべき花です。
回りは田園や竹林、そして横はねぎし川というキレイな川が流れています。
寺院内に入るとお清めの水がありました、「洗心」いい言葉ですね。
とても落ち着く空間です。
子供の頃に読んだ、昔のお伽話の絵本にでてくるような「お地蔵様」と、後ろには表情豊かな「16羅漢」が並んでいます。
羅漢を見ていると、必ず知っている誰かに似た顔があるといわれております。
人間の普遍的な表情を表現しているんでしょうね。
早朝の爽やかなそよ風に吹かれている古代蓮は、お釈迦様でもいるような錯覚を覚えます。
欧米人が見たら涙を流して喜びそうな光景ですね。
それでは三森家住宅に向かいます。
三森家は旧東山道沿いにあり、ここから白河の関に向かって2キロぐらいの所にあります。
日本の田園の中の美が息づく三森家住宅
東山道は、奈良時代の昔から、奈良の都と陸奥の国を結ぶ古い歴史を持つ街道です。三森家住宅はその街道沿いに建っています。
伊王野の町から2キロぐらいの感じですね。
特に近年は義経街道として観光PRされています。
長屋門から中を眺めると、素朴な日本画を見ているようで美しいです。
映画の撮影にも使われたことがあるそうです。
今が盛の桔梗と鉄砲ゆりでしょうかね、7月も中旬を過ぎたというのに今日は涼しいくらいの陽気です。
母屋は寄棟造り、茅葺きで、規模は桁行十二間(23.79m)梁間5.5間(10.32m)あり、当地域における古い民家の代表的なものであるそうです。
母屋は亨保18年(1733)の建築であることが判明しています。
江戸時代の中期ですかね、徳川吉宗の時代です。
長屋門の建築年代は不明ですが、母屋より年代は下がるものと推察されています。
母屋は茅葺、寄棟造で内部の太い木組が重厚であり、切妻造の大きな長屋門も特長になっている。
県北部に多い型であるという。
梁には松材を用い、ちょうな削りで木材を自然のまま巧みに組み合わせてあり、土台は杉と栗材を使用しています。
寛永10年(1663)徳川家光の時代、伊王野氏断絶後は天領となった事からも、現在でも豊かな田園風景が広がっています。(天領とは徳川幕府の直轄地の事ですが、諸藩にくらべて年貢の負担が少なかったので、現在でも豊かな所が多いといわれています。)
特に山沿いに在るためか竹林が多いですね。孟宗竹で土留めの為だと思われますが、京都の雅さとは違い農村のたくましい野趣が日本的な風景を造っています。
杉と竹林と稲のグリーンのグラデーションがとっても美しかったですよ。
こんな光景がのんびりして一番ほっとします。
ぎらぎらしたものはまったくありません。
自然がつくりだした色は優しいですね。
「緑が目にしみる」というのは本当だぞ!