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那須で飲めるおいしい牛乳を出す3種類の牛
那須高原と那須塩原市で飼育している牛を紹介します。
那須高原に来ますと、ホテルやレストランを始め那須牛という言葉をまずよく耳にすると思います。(一般に黒毛和牛といわれるものです。)
しかしこれは肉牛用の品種です、牛乳採取にはコスト的にも向きません。
また、イメージ的には写真のように牧場で草をのんびり食む牛の姿を想像するでしょうが、通常日本では完全な放牧で酪農は成立しません。
日本の乳牛の98%はホルスタインという黒と白の牛です。
ヨーロッパでは非常に多種類の牛が飼育されて、チーズに代表されるように非常に個性ある製品が作られています。
全国でも有数の酪農地帯とはいえ画一化された日本の酪農の縮図を見る感じもします。
牛一頭で放牧地が1ヘクタール(約3000坪)必要とされますので、農家の平均農地面積が、世界平均の100分の一という日本の現状では、やりたくてもできないのが現状です。
本来広い土地に牧草を栽培して牛を飼育するのが酪農ですが、日本の酪農の特徴として農家一戸あたりの飼育当数はヨーロッパ並の水準ですが、国土が狭い為購入飼料に依存せざるを得ないといいうのが一番最初にあげられると思います。
そのほとんどが輸入に頼るというのが現状です。
大体100頭ぐらい飼育している酪農家が中規模といえるでしょう。
現状は家業と企業(農業法人化)との狭間に揺れているというのが実情でしょうが、先行きに不安がありますから中々大型の法人化というのは地元酪農家ではまだ非常に少ないです。
那須で飼育されている3種類の牛を見てみましょう。
ホルスタイン種 Holstein
ドイツを起源としてオランダに定着した世界の酪農の主流をしめる品種です。日本の乳牛の98%を占め、那須でもほとんどがホルスタインです。
何故かというと、非常に産乳能力が高く年間6000-8000kgぐらいお乳をだします。
乳は白いのが特徴です。
性質は穏和ですが、体質はそれほど強健ではありません。
寒さには強く暑さには弱いので、寒地向きの牛です。
気温が28℃を超すと乳量が低下するといわれています。
たまにホルスタイン・レッドといって茶色と白もいます。
ガーンジィ種 Guernsey
現在この種類の牛は、那須高原では南ヶ丘牧場だけで飼育されています。千本松牧場にも少数いて、見かけましたという人もいますが未確認です。
多分ジャージー牛の見間違えだと思います。
ガーンジィ種は、英仏海峡に位置するガーンジー島原産の乳用種です。
ガーンジー種は専門酪農家によって多くの世紀にもわたって開発されました。
毛色は黄褐色の地に白斑(はくはん)があり、多くは額に星があります。
体型はジャージー種に似ていますが、ひとまわり大型です。
性質は人懐こく、環境に対する適応性も優れています。
その適応性がかわれて、バード少将率いる南極探検隊に参加し、基地で牛乳生産をしたという有名な話もあります。
乳量・乳質はジャージー種と変わらず、プロテインとバターと脂肪が高く、風味豊かな黄金色のミルクを出します。
現在は国内に200頭前後が飼育されており、那須では南ヶ丘牧場だけ飼育、ガーンジィゴールデンミルクを生産しております。
ジャージー種 Jersey
那須では、りんどう湖や森林ノ牧場で飼育されています。ホルスタインの生乳に混ぜて、乳脂肪分を高める目的で、那須でも小規模に飼育している酪農家もあります。
ジャージー種は、英仏海峡のジャージー島原産の乳用種です
体は小型で、細くてきゃしゃな骨格をしており、顔はしゃくれていて目と耳が大きいので、鹿のような可憐(かれん)な印象を与えます。
性質は活発ですが、やや神経質です。
人懐こくて、牛の中で一番頭が良いといわれています。
体が小さいため、乳量は年間約4000kgとそれほど多くありません。
しかし、乳脂肪率が高く(約5%)、脂肪球も大きいのでクリームが分離しやすく、その上、カロチン含量も高くて美しい黄色がでるので、バター原料乳として最適です。
また、耐暑性が比較的強いため、熱帯地方の乳用牛の改良に多く利用されています。
高脂肪でタンパク質含量が多く濃厚な乳を出します。
乳量はホルスタインの7割りから5割り程ぐらいしかなく、大手牛乳メーカーが歓迎せず、現在の国内飼養頭数は10,000頭余りであると推測されます。
実際にホルスタインと比べて見ると小型なのが分かると思います。
天皇陛下や皇室の方々の食材をつくる、栃木県の高根沢町にある御料牧場でもジャージー牛は採用されています。
牛のことを考えて牛乳を飲みましょう
牛は経済動物として飼われていますが、とても大きいのに臆病でやさしい生き物です。彼女らはsexもしないで、処女のまま妊娠して出産します。
そしてお乳の出が悪くなれば廃牛として屠殺され国産牛として売られます。
「たとい一粒たりとも 天地人(てんちじん)の三徳よりて生ず」
二宮尊徳
感傷的な話をするつもりはありませんが、人間の命を支えるため生きた牛達のためにも、ほんの少しでも牛の事を考えて牛乳を飲んでやってください。